シューベルトさん

おはようございます、1月31日です。早くも1月が行ってしまいますね。

今日は120曲もの歌曲を世に残し歌曲王と言われたフランツ・ペーター・シューベルト(1797年1月31日〜1828年11月19日)が誕生した日です。
わずか31歳の生涯で、『美しき水車小屋の娘』『冬の旅』『白鳥の歌』といった“3大歌曲集”をはじめとして、実に600曲以上もの歌曲を作曲しました。1820年代に入り、シューベルトは体調を崩し、入院を繰り返しますが、この苦しい暗い生活の中で、1827年に作曲されたのが、歌曲集「冬の旅」です。 この歌曲集は、一貫して、「絶望感」が流れていると言われています。
曲想が泉のように次から次に湧き出てきて止まらないこの大天才作曲家の様子を、友人のシュパウンは「ある日、彼は、ゲーテの詩集を読んでいるうちに、その中の詩に夢中になり、本を手にしたまま部屋の中を歩き回っていましたが、やがて机に向かうと、大変な速さで五線紙に曲を書き込みはじめた。」と語っています。
また、シューベルトは、歌曲以外にも、交響曲室内楽曲を数多く作曲していて、ピアノ曲も100曲以上作曲していますが、モーツァルトベートーヴェンとは違って、決してピアノの名手ではありませんでした。その上、この世を去る1年前まで、自分のピアノも持たなかったと言われています。しかしシューベルトピアノ曲は、歌詞を付ければそのまま歌曲になってしまうような、親しみやすいメロディが特徴で、こうした点にも“歌曲王”らしさが表れています。
後にシューマンは、そんな彼のピアノ曲を、歌曲に劣らず優れたものと評価し、「ピアノ曲の作曲家としてのシューベルトは、ほかの作曲家はもちろん、ベートーヴェンさえも凌駕している。」と言っています。